「骨を丈夫にするにはカルシウムを摂ればいい!」そんなふうに思っていませんか?確かにカルシウムは骨にとって大切な栄養素ですが、それだけでは骨を強くすることはできません。特に高齢になると、骨密度の低下や骨の質の劣化が進み、骨折のリスクが高まるため、カルシウム以外の栄養や生活習慣にも気をつける必要があります。実際に、60代女性の3分の1、70代女性の2分の1が身長の低下を経験するとも言われています。さらに、2年間で5mm以上身長が縮むと、死亡率が20%も増加するというデータもあるほどです。「えっ⁉ そんなに影響があるの⁉」と思ったあなた。そうなんです! 骨の健康は、長寿や生活の質に大きく関わる重要な問題なのです。第5回目となる「教えて!南雲先生」は、骨を丈夫にするために本当に必要なことを詳しく解説していきます!PROFILEナグモクリニック総院長南雲吉則 医師1955年生まれ。乳腺専門医、医学博士。慈恵医大・近畿大学の非常勤講師。慈恵医大学卒業、東京女子医大形成外科、癌研究会附属院外科、慈恵医大学第一外科乳腺外来医長を経て、バスト専門のナグモクリニック総院長。「女性の大切なバストの美容と健康と機能を生涯にわたって守る」をモットーに東京・名古屋・大阪・福岡、銀座の5院を飛び回る。がん患者の命を救う食事と生活術「命の食事」を提唱。テレビ出演・著書多数。「ナグモクリニック」ホームページ: https://www.nagumo.or.jp/「命の食事」ホームページ:https://inochinoshokuji.or.jp/「Dr.ナグモの命の食事チャンネル」https://www.youtube.com/channel/UCbz9DRg2pfeTEuz7CgxPM9gINDEX01.なぜ年をとると骨がもろくなるの?なぜ年をとると骨が弱くなってしまうのでしょうか?若いうちは、古くなった骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」のバランスが取れているのです。しかし、加齢とともに骨形成のスピードが追いつかなくなり、次第に骨密度が低下してしまいます。これが、年をとると骨が弱くなるという事の原因です。特に女性は閉経後に急激に骨密度が落ちやすいことが知られています。閉経によってエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減ると、骨の代謝バランスが崩れ、骨がスカスカになりやすくなるのです。また、骨がもろくなることで起こりやすいのが「圧迫骨折」。これは、背骨が少しずつつぶれていく骨折で、自覚症状が少ないため気づきにくいのが特徴です。「最近、背中が丸くなってきた気がする…」「昔より身長が低くなったかも?」と感じる人は要注意です!そして、骨折をきっかけに寝たきりになり、そのまま健康を大きく損なってしまうケースも少なくありません。だからこそ、骨を丈夫にすることは健康寿命を延ばすためにとても大切なのです!02.骨を丈夫にするために欠かせないものとは?「じゃあ、カルシウムをたくさん摂ればいいんでしょ?」と思うかもしれませんが、実はそれだけでは不十分なんです!骨を丈夫にするために最も重要なのは、「ビタミンD」なのです!ビタミンDが不足するとどうなる?ビタミンDは、腸でのカルシウム吸収を助け、骨にカルシウムを定着させる役割があります。そのため、ビタミンDが不足していると、いくらカルシウムを摂っても十分に吸収されず、骨に定着しないのです。近年、日本人はビタミンDが不足しやすい生活を送っていることが問題視されています。03.あなたもビタミンD不足かも?日本人がビタミンDを摂れていない理由2023年6月5日に「日本人の98%はビタミンD不足である」との研究結果が東京慈恵医科大学より発表されたことは記憶に新しいですが、それではなぜ日本人は慢性的なビタミンD不足に陥ってしまったのでしょうか??そこには以下のような原因があります。紫外線対策をしすぎている最近は「美白ブーム」や「紫外線対策」が流行しています。しかし、ビタミンDは紫外線を浴びることで体内で作られるため、日焼け止めや日傘で紫外線を徹底的に防ぐと、ビタミンDが不足してしまうのです。日光が少ない地域に住んでいる北海道や東北、北陸地方などは、年間を通して紫外線量が少ないため、ビタミンD不足になりやすいことが知られています。実際に、これらの地域では骨粗しょう症の患者数が多いというデータもあります。魚を食べる量が減っているビタミンDは魚の内臓や干しシイタケなどに多く含まれていますが、近年、日本人の魚の消費量は減少傾向にあります。肉中心の食生活ではビタミンDが不足しやすくなるため、意識的に摂取することが大切です。04.骨を丈夫にするための3つのポイント!骨を丈夫にするためには、カルシウムを摂取するということだけではなく、食事、運動、日光浴などを組み合わせて考えるようにすると効果的です。ここで紹介する3つの重要なポイントを押さえておきましょう!適度に日光を浴びるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で作られます。ただし、長時間の日焼けは肌にダメージを与えるため、1日15~30分ほどの日光浴を意識するといいでしょう!(地域や季節によって異なります)。たとえば、朝の散歩やベランダでのストレッチ、庭いじりなどを習慣にすると良いでしょう。また、「顔や腕を日焼けしたくない…」という方は、手のひらや足元を日光に当てるだけでもOK!日照時間の短い時期などは、タンニングマシンを利用するのもおすすめです。ビタミンDを意識して摂る食事からもビタミンDをしっかり摂ることも大切!ビタミンDを多く含む食品をご紹介します!食品名ビタミンD含有量(μg/100g)あんこうの肝110.0しらす干し(半乾燥)61.0いくら44.0ししゃも41.0うなぎ(蒲焼)19.0まぐろ(脂身)17.0さけ(銀鮭)32.0さば8.0さんま16.0きくらげ(乾燥)85.0干ししいたけ17.0特に魚をあまり食べない人は、意識的に干しシイタケや卵黄を摂るようにすると◎。また、必要に応じてサプリメントを活用するのもアリです!適度な運動で骨を刺激する骨は、負荷をかけることで強くなるため、適度な運動も大事です。おすすめなのは、ウォーキングや軽いスクワット、階段の上り下りなど。「運動が苦手…」という方は、買い物に行くときに少し遠回りするだけでもOK!05.ビタミンD不足に気をつけて、骨を守ろう!✔ カルシウムだけでは骨は丈夫にならない!✔ 紫外線を避けすぎるとビタミンD不足に…適度な日光浴を心がけよう✔ 魚やキノコ類を食べて、ビタミンDをしっかり補給✔ 適度な運動で骨を刺激し、骨密度をキープ!骨を丈夫に保つことは、健康で長生きするためのカギ。「紫外線を完全に避ける」のではなく、適度な日光浴と栄養バランスを意識して、丈夫な骨を維持しましょう!引用引用:「病気が逃げていく!紫外線のすごい力」南雲吉則著(主婦の友社)よりhttps://books.shufunotomo.co.jp/book/b482233.html